富士山は古くから信仰の対象として多くの人々に崇められてきました。1083年の噴火を最後に富士山の噴火は収束し、登ることでご利益を得る「登拝」が始まりました。簡単に登ると言っても、交通の便も山道の整備も不十分、便利な装備も無かった時代に富士山に登るのは至難の業。そこで、資金を集めて代表者が代わりに信仰登山をする団体、「富士講」が日本各地に誕生しました。全盛期には、江戸だけで8万人の講員がいたと言われています。江戸などの遠方から富士山を目指して歩いてくる富士講が、登山前に立ち寄るのが、「御師の家」でした。「御師」とは、参拝登山者に宿泊場所や食事を提供するだけではなく、教義の指導やご祈祷など、富士山信仰全般のサポートを行っていました。そんな御師の家が集まっていたのが、富士吉田市の本町通りを富士山方面に進んだ金鳥居の先。当ホテルが建つまさにこの場所です。御師の家のように、皆様の旅の疲れを癒す場となることができれば幸いです。